DJI Mic Mini 2Sレビュー|Osmo Pocket 4Pと使うなら、このマイクがいい

Osmo Pocket 4Pの音声を強化する DJI Mic Mini 2S

OSMOシリーズ最後の記事は、DJI Mic Mini 2Sについてお話ししたいと思います。もし過去の Blog をまだ読んでない方はこちらも合わせてご覧ください。


映像のクオリティを左右する重要なポイントはいくつかありますが、その中でも音声の良し悪しは、作品全体の完成度に大きく影響します。すでにショットガンマイクやピンマイクもいくつか所有しているのですが、今回ちょうどいいタイミングで「DJI Mic Mini 2S」が発売されたので、購入してみました。

以前から上位モデルの「DJI Mic 3」も何度か使ったことがあるのですが、レシーバーを使えば一眼カメラにも接続できるため、Osmo Pocketだけでなく、普段のカメラ撮影にも使える汎用性の高さも、購入を決めた理由のひとつです。実際にOsmo Pocket 4Pと組み合わせてみると、DJI製品との相性は抜群。起動後すぐにペアリングされ、面倒な設定をすることなく、高音質な音声を収録できます。DJIのエコシステムで揃えるメリットを、あらためて感じました。

ただ、唯一「これは参った」と思った点があります。

これは購入してから気がついたのですが、DJI Mimoアプリを使ってiPhoneからOsmo Pocketをリモート操作しているとき、DJI Micを使うことができません。

これにはかなり困りました。せっかくワイヤレスマイクを導入したのに、iPhoneからリモート操作すると音声収録ができないというのは、使い方によってはかなり大きな制約です。とはいえ、いろいろ試してみたところ、ちゃんと解決策を見つけることができました。

今回は、DJI Mic Mini 2Sの基本的な使用感だけでなく、この「DJI Mimoでリモート操作するとDJI Micが使えない」という問題をどう解決したのか、実際に運用してみて分かったことも含めて紹介していきたいと思います。

DJI Mic Mini 2S 充電ケースの重要性

DJI Mic Mini 2Sを使う上で、個人的にかなり重要だと感じているのが、この充電ケースです。ケースには、2台のトランスミッター、1台のレシーバー、Micシリーズ モバイル レシーバー、さらに主要なアクセサリーまで、マイクに必要なものをまとめて収納できます。マイク本体だけでなく、必要なアクセサリーまで一つにまとめて持ち運べるので、撮影に出かける際も「これを忘れた」ということが起こりにくく、個人的にはかなり助かっています。

バッテリー性能も十分です。

トランスミッターは最大11時間、レシーバーは最大10時間の連続使用が可能。さらに、フル充電した充電ケースを使えば、約3.2回フル充電でき、合計で最大40時間分の延長使用が可能です。長時間の動画撮影やライブ配信などでも、バッテリー残量をそれほど気にせず使えるのは大きなメリットです。

そして、このケースにはもう一つ重要な役割があります。充電はケース背面にあるUSB-C端子から行いますが、トランスミッターに内部収録した音声データをPCへ取り込む際も、このケースとPCをUSB-Cケーブルで接続します。つまり、この充電ケースは単なる「マイクを充電するためのケース」ではなく、収納、充電、そして音声データの取り出しまでをまとめて行える、DJI Mic Mini 2Sのハブのような存在になっています。実際に使ってみると、マイク本体以上に、このケースがあることの便利さを感じる場面が多いです。


僕が購入した「DJI Mic Mini 2S(2 TX + 1 RX + 充電ケース)」には、レシーバーが1台とトランスミッター(マイク)が2台付属しています。マイクはBluetoothでスマートフォンなどに直接接続できるほか、付属のレシーバーとは無線接続できます。、2人での撮影なら2台のマイクを使うことができますし、使い方によってはマイクを単品で1台だけ追加購入する、といった選択肢があるのも嬉しいポイントです。

必要な分だけマイクを追加できるので、撮影スタイルに合わせて柔軟に構成を変えられるのは、DJI Mic Mini 2Sの使いやすいところだと思います。
1台のレシーバーには、最大4台のトランスミッターを同時にペアリングできます。そのため、1人での撮影だけでなく、複数人でのインタビューなどにも対応できます。さらに、過去に発売された「DJI Mic Mini」や「DJI Mic Mini 2」と組み合わせて使用することも可能です。すでに旧モデルを持っている人なら、すべてを買い替える必要がなく、必要な分だけ追加していけるのは嬉しいところ。撮影する人数や用途に合わせて構成を変更できるので、柔軟かつコスト効率の高いセットアップを組むことができます。逆に、DJI Mic Mini 2Sのトランスミッターは「Micシリーズ モバイル レシーバー」ともペアリング可能です。つまり、付属のレシーバーだけでなく、スマートフォンでの撮影時にもトランスミッターを活用できます。このあたりの互換性の広さも、DJI Mic Mini 2Sを選ぶメリットのひとつだと思います。
レシーバーは非常にシンプルな作りになっていて、接続方法は3.5mmジャックとUSB-Cの2系統に対応しています。 一眼カメラなどには3.5mmジャック、スマートフォンやPCなどにはUSB-Cと、接続する機器に合わせて使い分けることができます。また、入力ゲインの調整は本体中央のダイヤルで行えるため、撮影する機器に合わせて音量を簡単に調整できます。余計なボタンや設定が少なく、必要な操作がすぐにできるシンプルさは、実際の撮影でも使いやすいポイントだと思います。
 
レシーバーの底面には、付属のUSB-Cコネクターを取り付けることができます。これをスマートフォンのUSB-Cポートに直接接続すれば、レシーバーを介してDJI Mic Mini 2Sの音声をスマートフォンで収録することも可能です。ケーブルを別途用意する必要がなく、レシーバーをそのままスマートフォンに接続できるので、スマホ撮影でも手軽にワイヤレスマイクを使えるのは便利なポイントです。
 
背面には、コールドシューに対応したクリップが付いています。カメラやリグへの取り付けも簡単なのですが、ひとつ注意したい点があります。ロック式のコールドシューに取り付ける場合、レシーバー側のクリップが上下方向に長いため、ロック機構と干渉してしまい、うまくロックできないことがあります。僕もSmallRigのロック式コールドシューを購入しようと考えていたのですが、この点が気になったため、今回は購入を見送りました。ロック式のコールドシューを使ってDJI Mic Mini 2Sを固定しようと考えている方は、取り付ける機材との相性を事前に確認しておいたほうがいいと思います。

DJI Mimoアプリと併用する唯一の方法

冒頭でもお話ししたとおり、DJI MimoアプリとDJI Micの無線接続は、同時に使用することができません。DJI Mic側の接続が優先されるため、MicがOsmo Pocketと無線接続されている状態では、iPhoneからDJI MimoアプリでOsmo Pocketに接続することができません。これには購入してから気づいたので、最初はかなり困りました。

そこで見つけた解決方法が、DJI MicのレシーバーとOsmo PocketをUSB-Cで有線接続する方法です。DJI Micのトランスミッターは、もちろんレシーバー側と無線接続します。そして、そのレシーバーをOsmo PocketのUSB-Cポートに接続します。Osmo PocketはUSB-C経由で外部マイクからの音声入力に対応しているため、この方法なら音声入力をレシーバー側に任せることができます。

つまり、DJI MicとOsmo Pocketを無線接続するのではなく、

DJI Mic → レシーバー → USB-C → Osmo Pocket

という接続にするわけです。

こうすることでDJI Mimoアプリ側の無線接続を使えるようになり、iPhoneからOsmo Pocketをリモート操作しながら、DJI Micで音声を収録することができます。また、ノイズキャンセリングの切り替えはトランスミッターの物理ボタンから操作できるので、この運用でも問題ありません。

これでようやく、DJI Micで音声を収録しながら、iPhone の DJI Mimoアプリで Osmo Pocket をリモート操作するという、当初やりたかった使い方ができるようになりました。

SmallRigのDハンドルに取り付けてみる

画像は、先日紹介したSmallRigのDハンドルにDJI Micのレシーバーを取り付けたところです。コールドシューに差し込むだけなので、取り付け自体は簡単です。ただ、先ほども紹介したように、レシーバー側のコールドシュー用クリップが大きいため、ロック式のコールドシューは使用できません。また、通常のコールドシューでも奥まで完全に差し込むことはできません。とはいえ、実際に取り付けてみると、簡単に抜け落ちてしまうような感じもありません。今回はひとまずこの状態で運用してみようと思います。個人的には、USB-C接続にすることでDJI MimoとDJI Micを併用できるようになったことが一番大きな収穫でした。
SmallRigのケージ「6002」を使えば、DJI MicのレシーバーをOsmo Pocket本体に直接取り付けることもできます。取り付け方によっては、レシーバーがOsmo Pocketの画面と干渉してしまいます。画像左・中央の向きでは画面に当たってしまいますが、画像右のようにレシーバーの向きを変えて取り付ければ、画面との干渉を避けることができます。

ただし、今回のようにレシーバーとOsmo PocketをUSB-Cケーブルで接続して使用する場合、ケーブルが本体側面に出るため、そのまま手持ちで撮影するのは少し難しくなります。そのため、このスタイルで運用するのであれば、三脚や自撮り棒など、別途グリップになるものを取り付けたほうが使いやすそうです。本体をコンパクトにまとめられるのは魅力ですが、手持ち撮影をするならDハンドルなどを使ったほうが扱いやすいというのが、実際に試してみた印象です。
こんなにコンパクトなマイクなのに、音質は十分に良く、ノイズキャンセリングも使える。 さらに約14.5GBの内部ストレージを搭載し、24-bitなら最大28時間、32-bit floatでも最大22時間の内部収録が可能です。

特に内部収録ができるというのは大きな安心材料です。カメラ側で何らかのトラブルがあった場合でも、マイク本体に音声が残っているので、「録音できていなかった」というトラブルへの備えになります。これだけの機能を、この小さなトランスミッターに詰め込んでいるのは、DJI Mic Mini 2Sのすごいところだと思います。

ただし、ひとつ注意したいのがモニタリングには対応していないこと。レシーバーにイヤホンを接続して、収録中の音声をリアルタイムで確認することはできません。個人的には内部収録ができるので大きな問題とは感じませんでしたが、インタビューなど、撮影中に音声を確認したい人は注意が必要です。

実際に使ってみても、音質、使いやすさ、機能性のバランスが非常に良く、動画撮影用のワイヤレスマイクとしてかなり完成度の高い製品だと感じました。動画制作をしている方で、これからワイヤレスマイクを導入しようと考えているなら、DJI Mic Mini 2S を選んでおけば間違いないと思います。
背面はマグネットになっているので、付属のクリップやマグネットを使って、さまざまな場所に取り付けることができます。僕は車やバイクを撮影することが多いので、これを車体に取り付けて、マフラー音を収録してみたいと思っています。これまではショットガンマイクを使って収音していましたが、風防を付けていても走行中は風の音が「ゴーゴー」と入ってしまい、なかなか使えるレベルの音声を収録できませんでした。その点、DJI Mic Mini 2Sなら、マイクを車体側に直接設置して音源に近づけることができます。

さらに最大400mの伝送距離にも対応しているので、撮影位置と車体との距離がある場合でも、十分な距離を確保して音声を収録できます。車やバイクの走行シーンでは、映像だけでなくエンジン音やマフラー音も作品の臨場感を大きく左右するので、これまでとは違った音の収録方法として、かなり期待しています。実際に車やバイクに取り付けて撮影したら、どんな音が録れるのかも試してみたいと思います。
この付属クリップもよくできています。クリップ部分は脱着可能になっているので、取り付ける場所に合わせて向きを自由に変更できます。マイクを胸元に付けるだけでなく、車体やバッグなど、さまざまな場所に取り付ける際にも向きを調整できるので、設置の自由度が高いのは嬉しいポイントです。こうした細かい部分まで使いやすく考えられているのは、実際に使ってみるとかなり便利だと感じます。
 
さらに、マグネットプレートも2枚付属しています。このマグネットがかなり強力なので、マイクを金属面にしっかり固定することができます。特に僕のように車やバイクを撮影することが多い人にとっては、このマグネットがかなり活躍してくれそうです。車体の好きな場所にマイクを取り付けて、走行中のエンジン音やマフラー音を収録するなど、これまでショットガンマイクでは難しかった場所から音を録れるようになるのは大きなメリット。コンパクトなワイヤレスマイクだからこそできる、面白い使い方だと思います。
風防も脱着式になっていて、必要に応じて簡単に取り外すことができます。屋内など風の影響がない場所では風防を外してスッキリ使えますし、屋外での撮影では風防を装着して風切り音を抑えることができます。クリップやマグネットプレートだけでなく、風防まで脱着式になっているので、撮影する環境に合わせて柔軟に使えるのも便利なポイントです。
さらに、マルチカラーカバーもセットになっています。定番のブラックやホワイトに加えて、カラフルなマグネット式フロントカバーが全8種類用意されており、好みに合わせてマイクをカスタマイズできます。ここまで紹介してきたように、コンパクトながら音質やノイズキャンセリング、内部収録などの基本性能もしっかりしていて、さらにクリップやマグネットプレート、風防、カラーカバーまで付属しています。これだけマイクに必要なものが一通り揃って、この価格ならかなりお買い得だと思います。まだワイヤレスマイクを持っていない方はもちろん、すでにショットガンマイクやピンマイクなど、いろいろなマイクを持っている方にも、このDJI Mic Mini 2Sは一つ持っておいて損はないと思いますよ。


All Photo by UNDERGROUND...Hiro

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